”起業後3年生存率”が3〜4割という厳しい現実
中小企業庁の『中小企業白書』によると、起業して3年間存続できている会社は3〜4割程度、これが”起業して事業を継続させること”がどれだけ難しいかという現実なのです。ただこの後は廃業の数自体がグッと減るので、見方を変えれば”3年持ちこたえるという”ことは、事業を軌道に乗せるための時間的な目処でもあると言えます。
失敗する要因で圧倒的に多いのが”準備不足・資金不足・経験不足
事業内容やお金のことを深く考えず、楽観的な考え方や成り行きだけで漫然と経営をしてしまうと、いずれ事業は立ち行かなくなります。起業するときであろうが事業継続している場合であろうが言えることとしては、「成功するためにはさまざまな準備は欠かせない」という事が大切なのです。要するに常に創業時と同じ気持ちでしっかりと自らの足元、財務状態、周りの環境などを冷静に見つめる眼が必要なのだということです。
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やり甲斐”ってありますか?
「やりたいこと」にひたむきになれるかどうかが、事業を成功させるための最大の
ポイントの一つです。再度自分としっかり向き合って取り組んで行けるのかどうか
十分に考えてみてください。何事もそうですが、『想い』が強ければ強いほど実現
や成功に近づやすくなるということなのです。
《やる気が好循環に繋がる理由》
ただし、次のようなワナに陥らないよう冷静に自らを見てください。
「好きなこと」「やりたいこと」をビジネスにするにあたっての”落とし穴”
自分目線(お客さん不在)になっていませんか?
お客さんがそれを必要としてくれるのか、お客さんにとって
本当に役に立つのかを「客観的に」判断してください。
☆専門的な知識を伝えることも必要なのですが、売れなければ本末転倒です。
まずはお客さんが欲しいものから始めて、そこから徐々にエッセンスとして
「やりたいこと」へ掘り下げていってください。
事業の方向性をどのように決め、また足りないものはどう補うか?
写真の説明を記入します
事業計画書の作成
事業計画書と聞くと、面倒なので抵抗があるという方もみえるかもしれません。
しかし事業の内容やターゲット、商材、競合の有無などを分析してまとめたビジ
ネスプランを書面化してみると、自分がこれから始めようとしていること強みや
弱み、足りないものなどがハッキリと分かります。融資などを受ける際に必要と
なるだけでなく、事業を客観的にチェックする際にとても重要なので、必ず作成
したほうがよいです。
検証・評価・改善
「PDCA」とは、「Plan=計画」「Do=実行」「Check=評価」「Action=改善」の4つの英単語の頭文字で、「PDCAサイクル」とも呼ばれます。P→D→C→A→P……といった具合に、4つの段階を循環的に繰り返し行うことで、仕事を改善・効率化することができる方法と言われています。
Plan=計画
業務計画や達成したい目標を立てて計画を作成します。「誰が(Who)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」「いくらで(How much)」行うのかという5W2Hを意識しながら、具体的な数値と合わせて目標を設定します。
Do=実行
計画に沿って業務を実行します。計画や目標達成のために実行できることを、時間や数値などで具体的にToDoリストなどに落とし込み、順に実行していきます。
Check=評価
実行が計画に沿って行われたかどうか、目標を達成できているかどうかを評価します。また結果を見て、良かった点と悪かった点を客観的に数値などで分析し、どうしてそうなったかという要因を振り返ります。
Action=改善
評価を見ながら、良かった点は継続的に行い、悪かった部分はどのように改善するべきかを考えます。この計画を続けるか、修正するか、中止するかも考慮し、次のPlan段階へとつなげていきます。
PDCAサイクルでは、目標達成のための計画を立て、具体的な実行に移し、その結果を振り返って客観的に評価し、よりよい改善方法を考える……というように、その都度フィードバックを行います。この長所は、同じミスを繰り返さないように意識し、良かった部分はさらに伸ばし、仕事の質を向上していくことができる点です。
ポイントは、サイクルを継続的に何度も循環させること。期間を決めて、きちんとサイクルを回していくことが重要になります。PDCAには「スパイラルアップ=螺旋状に向上していく」という基本概念があり、最初はうまくいかなくても、サイクルを回すことによって徐々に良くなっていくという考え方です。PDCAのサイクルを回すことによって、仕事の効率化と精緻化が進んでいくわけです。
PDCAサイクルの考え方は、ビジネスだけでなく、人生設計や家事の効率化など、さまざまな局面で役立つ方法と言われています。何かを改善したい、向上させたいと悩んでいる方は、ぜひ取り入れてみてください。