「現金で相続するよりは評価額が下がります」
「賃貸すれば安定した不動産収入にもなります」
「借金すればさらに相続税が下がります」
”間違い”ではないのですが・・・・・・
<POINT!!>
当初はお金が入ってきて余剰資金を確保できていたのに、いつの間にか手持ち資金の持ち出しになっていませんか?
その空室補償の契約内容で10年後15年後の収入確保はちゃんとできますか?
「一括借り上げ」やその契約内容、立地条件等をしっかり理解して、経営として本当に成り立つのかを十分検討して
ください。
場合によっては、生活資金や相続税の支払の資金にまで影響することもあります。
<POINT!!>
始めるにあたって借入をするケースも多いです。数年後ごとに大規模修繕にお金がかかり、結局借入額が全然減らない
こともままあります。
“相続税”対策として納税額は減るかもしれませんが、負の遺産の押し付け合い という“争続”となりません
ようお気をつけ下さい。
<注意点>
プラスの財産は相続人間で決められますが、負債の相続に関しては実際のところ相続人
の間で自由に決められるということはありません。
◎負債も相続財産なのでは?
銀行など融資先の同意が必要(自分たちの不利になるような分割には当然応じません)。
負債は法定相続分で共同相続するのが一般的。相続人のすべて債務者または連帯保証人となります。しかも
誰かが返済できないとなれば「連帯保証」ゆえ負の連鎖が拡大。そしてその次の相続の対象にもなります、、、、、。
当初資産:自宅3,000万円と現預金2,000万円 相続人:妻、長男、長女
◎孫の小学校への入学に際して
長男夫婦 ・・・・ 物入りだから現金を → 生活費に使われてしまいかねない
→ 1,000万円の贈与を決める(財産総額が4,800万円以下になるし・・・)
(※30歳未満の子どもや孫に教育資金を贈与した場合、1,500万円まで贈与税が非課税
になる制度。学校の授業料は当然として、 塾や習い事にも対象となるものがある)
・・・・・・6年後、無事孫はお受験のも勝ち抜き、私立中学に入学。贈与資金は塾の授業料と中学の入学金に使われた。
<注意点> この先の生活資金、それで大丈夫ですか??本末転倒になっ
ていませんか?
お金がある方にとっては有効に作用しますが、特に相続税が
出ない方にとって”税制面においては全く無意味”なものと
なってしまいます。
@) 長女の突然の離婚と出戻り、孫への贈与が発覚。 → 私にもちょうだいと権利主張(遺留分相当の500万円を贈与)
A) そんな中妻が突然脳梗塞で倒れ、介護が必要に。 → 介護費用の不足分を補いあっという間に200万円支払
↓ この時点で「生活資金」すら危うくなりかけてます・・・・・・。
子どもたち、ましてやかわいい孫に返してくれ・・・・なんて言えないですよね。
<Point!!>
(長女の一件は置いといて)妻の件に関しては想定できたであろうし、これから
先の介護用リフォームが必要になったり、 もしかして施設に入れなければなら
ない場合、多額の資金が必要になるとも考えられます。ちょっと予測が甘かっ
たかも・・・・・。
☆同様の制度として、平成27年4月1日から「結婚・子育て資金の一括贈与制度」がはじまりましたが、
注意すべき点は同じです。
当初資産: 自宅土地建物・ゴルフ会員権・現金3,000万円 (計約8,000万円)
登場人物: 妻・長女・次女
<税金は出ないようバッチリ計算!遺言も弁護士に預けてある!!>
遺言の内容 : 土地建物・ゴルフ会員権は長女へ、現金2,500万円は次女へ、
現金500万円は妻へ
↓ @なぜこれに問題があったのか?
当初の税金計算 : 基礎控除5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円 で計算、税金ゼロ。
↓
<Point!!>
[ 理由@ ] 税制が変わってしまいました(基礎控除額の改正)!!
長女約130万円、次女約85万円の支払い
A長女の方がはるかに多くもらっているのに税金の差がそんなにないのはなぜ??
[ 理由A ] ・長女 : 「小規模宅地の特例※1」で比較的少なく収まった
(※1本人所有の土地建物を同居親族が取得する場合、評価額の80%を減額する措置)
・次女 : 現金による相続のためダイレクトに影響
<注意点>
中途半端に「完璧を求めた」相続対策が災いして一転、相続人間の心情的な禍根を残す
結果に。
作りこみ過ぎて、税制改正などちょっと状況が変化しただけで無残にも計画が崩れ去っ
てしまった事例です。
<Point!!>
「対策」は、一度作ったら終わりではなく、その都度状況に応じて見直す必要が
あります。