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株式会社 匠Project


生前贈与〔その1・・・暦年贈与と相続時精算課税etc...〕






暦年贈与


暦年贈与(年間110万円までは申告不要・無税、110万円を超えて贈与する場合は申告と納税が必要です) 

 ⇒ 何人から受け取っても構いませんが、受け取る側の年間受取総額が110万円以下である場合は、受
   け取る方の基礎控除の範囲内であるため申告と納税の必要がないということです。したがって父と母
   からそれぞれ110万円ずつ贈与された場合は申告と納税が必要になります。最もオーソドックスな
   贈与方法です


 <注意点>

 贈与契約書の「毎年110万円を10年間贈与します」という文言は厳禁!!(連年贈与
    
   ☆法律行為の「贈与」としては当然有効なのですが、税金の問題としての「贈与税」とは別問題のため、
   1,100万円を一括贈与をしたものと見做され認定課税されます。
  
   
※コレ誤解されてる方が非常に多いので気を付けて下さい!!




相続時精算課税


2500万円までは「贈与税」は課税しないかわりに、相続発生時に相続財産にその分を精算し加えて「相続税」を課税するという生前贈与制度です。毎回申告が必要で同じ人からの贈与が2500万円を超えると一律20%の納税が発生します。相続税の申告時この分を持ち戻しして税金を計算しなければならないが(それゆえの「相続時精算」課税)、前もって納めた贈与税がそのまま相続税から控除されるため、相続税の仮払的な側面を持っています。基本的にその性質上節税効果を期待するものではありません。

    
制度の詳しい内容はこちらへ

 〔こんなときに有効に使えます〕


 @) 相続時に相続税が発生しないと想定される場合は生前に多額の資産を贈与できるため、早めに資産の世代
    間移転を済ませたい場合
には効果があります。特にAの住宅取得等資金に係る非課税措置と組み合わせる
    ことで、より大きな効果を発揮します。
 A) 一定額まで贈与税はかからなく、まとめて生前贈与させることができるというのがこの制度の趣旨で、
    贈与 時点の評価額が適用されるため、例えば
値上がりするであろう資産、もしくは収益を生む資産(家
    賃収入がある物件など)を贈与する場合、相続発生時の財産評価額を抑えることができ
、また贈与後
    の収益は受贈者に移転するため相続財産の増加も抑えることができる
という2つの効果が期待できます。

 B) 贈与時点で所有権を受贈者に移すことができるため、権利者の確定ができ、税金の計算上持ち戻すものの
    分割財産にはあたらないため、
相続させたい財産を贈与することで相続争いを防止でき、遺言とは違っ
    た効果が期待できます。
 C) 上記二つの組み合わせとして、
経営者が自社株を後継者に贈与することで、会社の支配権だけでなく、
     値上がりする自社株対策としての効果
も期待できます。
 D) 贈与する財産は現金だけでなく、土地や住宅なども可能で制限はありません。





 <注意点>

 @) 贈与の一形態で、対象は60歳以上の親から20歳以上の子および孫に限定されています。回数と内容に制限は
    ないのですが、
一旦この制度を選択すると、その後「同じ人からの贈与」はすべて精算課税に上乗せされて
    しまい、
途中で撤回して暦年贈与を選択するということはできません。
 A) 贈与資産が必ずしも値上がりしているとは限りません。
相続発生時に値下がりしていた場合評価額が上が
     る可能性があります

 B) 贈与時に税金はなくても、
相続税がかかる場合があります
 C) 
親より先に子が亡くなって相続が起こった場合、贈与財産に2度相続税がかけられる可能性があります
             (@子から孫への相続で課税され、A親から子(孫が代襲)への相続でも課税される)。
 D) 現金等を贈与すると、
相続時までに消費してしまい、相続税が払えない可能性があります。
 E) 自宅等の
小規模宅地の評価減の特例が使えない
 F) 生前贈与で取得した財産(土地・建物等)は
物納できない
 G) 相続時精算課税を使って生前贈与したことを忘れている、もしくはその事実を知る当事者が亡くなって
    しまっているような場合、
相続税を計算をする上で相続財産からその財産が漏れるということが起こり
    かねない。
 
 <まめ知識 その1> 住宅資金の援助という観点から言えば・・・相続税対策ではないのですが、相続税が想定
            されない場合などは早期に資産の引き継ぎができ、子どもも喜ぶ。現在結構使われている
            オーソドックスなパターンです。


 相続時精算課税制度を選択した場合、子ども一人につき 2,500万円までは贈与税がかかりません。また、2,500万  円を超えた金額についても一律20%の贈与税がかかるだけです。一度に大型贈与がしやすいことが相続時精算課税
 制度の特徴なのですが、この制度は「住宅ローン減税制度」や後で説明します「住宅取得等資金に係る贈与税の
 非課税措置」と の併用も可能です。
 住宅取得等資金以外の相続時精算課税制度の適用は親の年齢が60歳以上という制限がありますが、住宅取得資金等
 に限っては親の年齢が60歳未満であっても相続時精算課税制度を選択することができます(親の年齢に制限があり
 ません)。住宅の新築や取得だけでなく、先行取得する敷地の資金も対象となる場合があります。


 <まめ知識 その2> 住宅資金贈与と小規模宅地の特例ってどっちを使えばいいの?
            ・・・・将来まで想定した選択を!


 相続時精算課税制度は、マイホームを購入する子や孫に一定のの資産が非課税で贈与するときにも用いられる制度
 で、その年齢の子や孫がいる被相続人は、”ぜひやってみたい!”とお思いになる方も多いと思われます。しかし
 先にも触れたとおり利用上の注意点もあります。被相続人の生前時で考えるとこの制度を利用するメリットは大き
 いのですが、亡くなった後まで含めて考えれば利用することが必ずしもベストとは言えない場合があるからです。
 この制度を利用して相続人がマイホームを取得すれば、別の相続税対策「小規模宅地の特例」との併用が不可能と
 なってしまいます。「小規模宅地の特例」の適用では被相続人の住居の土地評価が「最大80%引き下げ」という
 大きな節税メリットがある訳ですが、”住居を引き継ぐ相続人がマイホームを所有していないこと”が条件となり
 ます。
 つまり、被相続人の生前時に住宅資金贈与を行って「節税ができた!」と思っていたら、被相続人が亡くなった時に
 「生前贈与を選択しなかった方が実はもっと節税できたのに…」ということが起こりうるのです。「小規模宅地の
 特例」と「住宅資金贈与」のどちらを選択するかは、家族構成や資産状況によって異なってきます。
 『本来の意味での節税』という観点から見た場合、大事なことは非課税で贈与できるという現時点のメリットでは
 なく、”後々までシミュレーションしてプランニングすること”なのです。相続に強い税理士に、「わが家の場合、
 小規模宅地の特例と住宅資金贈与のどちらを利用すると良いか?」と質問すれば、明確な答えを出してくれるので、
 「目先だけの節税」をしてしまわないようくれぐれもご注意ください。





贈与税の配偶者控除







贈与における共通の注意点

ポイントは、お互いの意思表示とお金が動いた事実の証拠を残すことです!

〔一つだけでは根拠としては十分とは言い切れませんので、契約書の他に
              できるだけ多くの証明手段をとっておかれることをお勧めおります。〕



・贈与においては、お互いの「あげます⇔もらいます」という意思表示が大前提です。
 この点は贈与金額の多い少いに全く関係ありません(110万円以下で申告が不要である場合
 であっても同じということです)。したがって毎回贈与する度に必ず契約書を交わすように
 して下さい。


・老後資金用の貯蓄を切り崩すような過度な贈与は厳禁です!!


・子ども・孫への現金での贈与は「実際に贈与した証明」を残しておく必要があるので、
 (後の事を考えて)通帳間で振込等その事実が確実に残るような方法をお勧めします。


・勝手に孫や子どもの口座を作り「内緒で積み立てる」のは厳禁です!!
 ⇒お子さん・お孫さん名義の口座の場合は、印鑑と通帳を管理できるようにしておいてください。
 ⇒お子さんやお孫さんが「その口座」の存在を知らなかったり、印鑑・通帳を本人に渡して
  いないなど本人管理ができていない状態で相続を迎えてしまった場合、せっかく”あげたつ
  もり”であっても被相続人名義の預金と見做され「相続財産に加算」されることがあります
 (名義預金)。

・さらにできれば110万円をちょっとだけ超えて贈与して、申告書を提出し最少額の納税をして
 おかれるのも事実を残す手段の一つとなります。






その2・贈与税の非課税特例へ



「贈与の落とし穴」はこちら